今回は「良い決算」か判断するために必要な項目、「ガイダンス」の調べ方をご紹介します。
コンセンサス予想や決算資料と違い、米国株のガイダンスを調べるのは少し難易度が高い作業です。
じっちゃまも「僕のnoteを読んどけばいいんじゃない?」というほど。
しかし、米国株投資に少し慣れてくると、自分で調べられるようになりたいと思いますよね。
そのような方のために分かりやすく説明していますので、是非最後までお読みください。
\この記事でわかること/
・ガイダンスとは何かわかる
・米国株のガイダンスの調べ方(特にプレスリリースから探すときのコツ)がわかる
・ガイダンスに関する注意点がわかる
米国株におけるガイダンスとは
ガイダンスとは、「来期以降の決算に対する企業側の見解」を指します。
ガイダンスは「良い決算」かどうかを判断する3項目の中に含まれていますので、その数値は決算発表直後の株価にも影響します。
自分で米国株ガイダンスを調べたいと思っている投資初心者は多いはずです。
ガイダンス、出す?出さない?
まず、全ての企業がガイダンスを出すわけではないということを知っておいてください。
ガイダンスに対する企業の姿勢としては下記の3つが考えられます。
①決算発表時のプレスリリースの中でガイダンスを示す
②決算発表後のカンファレンスコールの中で口頭でガイダンスを示す
③ガイダンスを出さない
①のプレスリリース、②のカンファレンスコールの両方でガイダンスが示されていないことを確認して初めて、③「ガイダンスはない」と言うことができます。
法律で提出が定められている決算と違い、ガイダンスを示すことは義務ではありません。
したがって、ガイダンスを出す・出さないの判断は企業側に任されています。
「ガイダンスを出さない企業=悪い企業」、「ガイダンスを出さない企業は投資対象として不適」というわけではありませんのでご安心ください。
特に2020年は新型コロナウィルスによる業績の先行き不透明さから、ガイダンスを出さない企業が半数近くありました。
米国株のガイダンスの調べ方
それでは、実際に米国株のガイダンスを調べる方法について解説していきます。
①決算発表時のプレスリリースの中でガイダンスを示している場合
決算発表時のプレスリリースは、各企業のIRサイトで閲覧することができます。
IRとは「Investor Relations(インベスター・リレーションズ)」の略で、 企業が株主や投資家に対し、経営状態や財務状況など投資の判断に必要な情報を提供する活動をいいます。
googleなどの検索サイトで「企業名(英語、ティッカーシンボルも可) IR」で検索すれば、各企業のIRサイトが上位に表示されるはずです。
ここでは、ファイバー(ティッカーシンボル:FVRR)のIRサイトを検索してみます。
検索結果のトップに表示されていますね。
次に、IRサイト内で決算に関するプレスリリースを探しましょう。
⇒ ファイバー(ティッカーシンボル:FVRR)のIRサイト
決算(画像では「Fourth Quater 2020(2020年第4四半期)」)の中に「Press Release」がありますので、これをクリックします。
ちなみに、ファイバーのように決算関連の情報が独立した項目になっている場合もありますし、「プレスリリース(Press Releases)」などといった項目の中に決算関連の情報が含まれている場合もあります。
(ズーム・ビデオ(ティッカーシンボル:ZM)のIRサイトの例)
ここからは、プレスリリースの中からガイダンスを探す作業になります。
英語が苦手でも大丈夫!プレスリリースからガイダンスを探すコツ
決算リリースを見つけることができても、英語が苦手な人には全て読むのが嫌になるような長文の場合が多いです。
そんなとき手っ取り早くガイダンスを探すには、以下のキーワードをページ内検索してみましょう。
(ページ内検索の仕方は次の項目で説明しています)
・guidance(ガイダンス)
・outlook(見通し)
・expect(予測する)
・Q+”1~4の数字”(来期の数字、Q1 など)
・between(~の間)
ガイダンスが示されている場合、これらの単語の近くに記載されていることが多いように思います。
上4つはある程度納得できると思いますが、「between?なんで??」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
米国株のガイダンスは、ある程度の幅をもって示されることが多いです。
じっちゃまがいう「新ガイダンスは『レンジで』〇〇ドルから△△ドル、…」という部分ですね。
英語では「between 〇〇 and △△」と表現されることが多いので、「between」という単語で検索するとヒットする可能性があります。
それでは実際に、ファイバーのプレスリリースからガイダンスを探してみましょう。
⇒ ファイバーの決算(2020年第4四半期)プレスリリース
例えば「outlook」で検索した場合、2箇所がヒット。2箇所目近辺にガイダンスが記載されています。
「outlook」(オレンジのハイライト)以外のおすすめキーワードも近くに散らばっていることがお分かりいただけると思います(水色のマーキング)。
来期(2021年第1四半期)、2021年通年の売上高に関してはガイダンスが示されていますが、EPSに関しては言及されていません。
(参考)ページ内検索の仕方
キーボードショートカットを使うと、語句をすばやく検索することができます。
(Windows、Linux、Chrome OS の場合)Ctrl+F キー
(Mac の場合)⌘+f キー
右上に表示されるバーに検索したいキーワードを入力してください。
Google Chromeでは、右上の「︙」アイコン → 検索 のクリックでも検索バーが表示されます。
②カンファレンスコールの中でガイダンスを示している場合
カンファレンスコール(Conference Call)とは「電話会議」のことです。
会社側が音声または動画で決算に関して説明する場であり、あわせてQ&Aなども行われます。
「Webcast」と表現される場合もありますが、どちらも同じものです。
当然ですが全て英語で行われますので、ある程度英語の聞き取りができる方でなければガイダンスを拾うことは難しいと思います。
カンファレンスコールはリアルタイムで参加することもできますし、決算発表日以降も一定期間はIRサイトで視聴できることが多いです。
前述のファイバーのIRサイトであれば、各決算内の「Webcast」をクリックすれば見ることができます(下記画像のように、視聴には登録が必要な場合が多いです)。
リアルタイムでカンファレンスコールに参加する方法、じっちゃま流カンファレンスコールの聞き方、カンファレンスコールの文字起こしを探す方法はこちらから↓
米国株のガイダンスを見るときの注意点
ガイダンスの数値が低い場合、その原因が何かを考える必要があります。
・単純に需要の低下などで業績が悪くなると予想される場合
・何らかの特殊要因がある場合 … 企業買収、為替差損、コロナ禍、など
・企業側がわざと低いガイダンスを示している場合
特殊要因についてはプレスリリースなどで言及されているはずです。
また、特に悪い要素はないのに、わざと楽勝で達成できるような思い切り低い数値を示す企業もあります。
そのようなやり方を、じっちゃまは「サンドバッギング」と表現しています。
(「保守的な」ガイダンス、という言い方もあります)
毎回保守的なガイダンスを示す企業もあり、決算を長くフォローしていれば、だんだんその企業の傾向がつかめるでしょう。
ガイダンスがコンセンサス予想を下回ると「悪い決算」として一般的に株は売られますが、内容によってはあまり株価に影響しない、逆に好感されることもありますので、原因を精査することは重要です。
まとめ:米国株のガイダンスを自分で調べてみよう
今回はガイダンスの調べ方をご紹介しました。
米国株初心者がガイダンスを把握することは簡単ではありませんが、プレスリリース内を検索するところから始めてみてはいかがでしょうか?
是非お試しください。
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