じっちゃまがよく使う「良い決算」ってなに?
なんでその基準が大事なの?
良い決算って判断していいのかよくわからないときがあるんだけど…
このような疑問に答えます。
\この記事でわかること/
✓ 「良い決算」の定義
✓ じっちゃまが「良い決算」の判断に3項目を使う理由
✓ 「良い決算」なのか判断に困ったときのヒント
「良い決算」の定義。判断基準3項目は必ずチェック
「良い決算」の定義
じっちゃま(広瀬隆雄氏)は企業の決算に関して「良い決算だった」などという表現をしますが、「良い決算」とは一体何なのでしょうか?
①今期のEPS(1株当たり利益)がコンセンサス予想を上回る
②今期の売上高がコンセンサス予想を上回る
③来期以降のガイダンスがコンセンサス予想を上回る
上記①~③の3項目全てを満たす決算だけが「良い決算」と言えます。
どの項目が重要というわけではなく、EPSも、売上高も、ガイダンスも、3つ全てが均等に重要です。
1つでもクリアできなければ、それは「良い決算」とは言いません。「悪い決算」です。
ちなみに、「コンセンサス予想」とはアナリストの企業業績予想の平均値、「ガイダンス」とは企業側が出す来期以降の業績予想を指します。
コンセンサス予想とガイダンスの調べ方は別の記事で詳しく説明しています。


じっちゃまが決算の判断基準にこれら3項目を使う理由
じっちゃまは上記の定義を使って、繰り返し繰り返し「良い決算」について説明しています。
なぜこの3項目を判断基準として使うのでしょうか?
それは、ウォール街や機関投資家がこの基準で決算を判断しているからです。
自分がいくら別の項目を重要視していたとしても、他の市場参加者が全く気にしていなければ、その項目は売買の判断基準として役に立ちません。
テクニカル分析を行う際のインジケーターと同じですね。
上値抵抗線やカップウィズハンドルなど大勢が意識しているシグナルではなく、自分だけ「一目均衡表の遅行スパンがー…」などと言いながら売買していても、期待していたような値動きにならないのと同じです。
みんなが判断基準として使用している項目だからこそ意味があるのです。
なぜ「コンセンサス予想」と比較するのか?
金融経済学には、『効率的市場仮説』という有名な仮説があります。
効率的市場仮説(Efficient Market Hypothesis、EMH)とは、
みずほ証券×一橋大学 ファイナンス用語集より
すべての利用可能な情報が完全に市場価格に反映されているとする仮説である。
株価には先見性があり、将来に対する良い材料も悪い材料も先へ先へと織り込んでいる。もちろん、複数のアナリストが分析した(将来の)企業業績予想の平均値である「コンセンサス予想」も織り込まれた上で現在の株価が形成されている、と仮定します。
そうだとすれば、実際の決算結果がコンセンサス予想に一致した場合には、決算が株価を動かす要素とはなりません。
反対に、結果がコンセンサス予想を上回ればポジティブサプライズとして、コンセンサス予想を下回ればネガティブサプライズとして、株価を大きく動かす可能性があります。
このような考え方から、決算結果をコンセンサス予想と比較するのです。
「良い決算」か判断に困ったときのヒント
「コンセンサス予想に一致」は基準クリアと考える
疑問としてよくあるのが、「決算の結果がコンセンサス予想の数字とぴったり一致した場合、どう判断したらいいの?」というもの。
結論から言うと、結果がコンセンサス予想と一致 = 基準クリア と考えます。
なので、他の項目もクリアしているのであれば、「良い決算」と判断してください。
なぜ?と聞かれても、「そういうことになっているから」と答えるしかありません。
これもじっちゃまが決めたことではなく、米国の市場参加者がそういうものだと思っているものなので受け入れましょう。
ガイダンスは中間値(中値)を取る
来期以降のガイダンスは、ある程度の幅をもって示されることが一般的です(来期のEPSの新ガイダンスは5~10セント、など)。
コンセンサス予想が7セントだったとすると、「え?範囲内には入ってるけど、これってクリアしてるの?」と迷ってしまいますよね。
「ガイダンスは中値(中間値)をとる」と覚えておいてください。
上の例でいうと、新ガイダンスのEPSは5~10セントの中間をとって7.5セントと考えますので、コンセンサス予想の7セントを上回っている、つまりクリアしていると判断することができます。
同様に、売上高も中値をとって判断してください。
ガイダンスを出さない = 悪い決算 ではない
「良い決算」の定義の中に「③ガイダンスがコンセンサス予想を上回る」という項目がありますが、中にはガイダンスを示さない企業もあります。
ガイダンスがないと「良い決算」の3項目全てを満たすことができなくなるため、「悪い決算?鼻くそピーン!?」と心配になるかもしれません。
大丈夫です。
企業側がガイダンスを出さないからと言って、決算ミス(悪い決算)とはなりません。
判断するためのデータ不足として、「良い決算」の基準から③のガイダンスを含む項目を除外しましょう。
したがって、ガイダンスがない場合には、それ以外の2項目(①の今期のEPS、②の今期の売上高)で判断してください。
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