預貯金の情報をまとめましょう。
この記事では、財産情報の整理の目標「1. 財産目録を作成する」に関連して、預貯金の目録(一覧表)を作成することが目標です。
上記記事でも触れた「1. 財産目録を作成する」ための3ステップ、『あつめる・書きだす・整理する』に沿って実行していきます。
【あつめる】通帳・キャッシュカード類を集める
まず、所有している通帳、キャッシュカード類を全て集めてください。
余白がなくなって繰越しをした古い通帳や、使用頻度が少ないもの、残高があるかどうかわからないもの、経営統合でなくなってしまった銀行の通帳なども含めて、持っている通帳全てです。
同様に、キャッシュカードも全て出してください。
【書きだす】金融機関ごとに口座情報を一覧にする
次に、集めた通帳やキャッシュカードをもとに、金融機関ごとに必要な情報を書き出します。
集めた通帳やキャッシュカードの中で、「この口座は絶対に解約した」と自信があるもの以外は、全て書き出してください。
また、ネット銀行はもちろん、最近は大手銀行も通帳をなくす風潮にありますので、通帳がない金融機関も忘れずに書き出しましょう。
「口座番号はいらないの?」と思われるかもしれませんが、わざと省いています。
あまり細かい情報まで書くと、万一盗難に遭った際に悪用される可能性があるので注意してください。
それでは、各項目について説明していきます。
1. 金融機関名・支店名
金融機関名と支店名は必ず記入してください。
金融機関名と支店名さえ分かれば、それ以外の詳細が分からなくても口座を調べることができます。
逆に言えば、この情報を残しておかなければ、その口座にあるお金は忘れ去られてしまうということです。
2. 口座の種類
普通預金だけでなく、定期預金・外貨預金などある場合は書いておくとよいです。
ただし、ゆうちょ銀行だけは、普通預金以外の預金がないか必ず確認してください。
郵政民営化前(平成19年9月30日以前)に預けた郵便貯金(定額貯金・定期貯金・積立貯金)は、満期から20年2か月がたつと権利が消滅してしまいます。
他の金融機関と違って、この場合は取り戻すことができなくなりますので注意が必要です。
3. 名義人
通常あなた自身の名義でしょうから、わざわざ書く必要はありません。
もしお子さんやお孫さんなど家族名義の口座があるのであれば、名義人を書いておいてください。
家族名義であっても、実質的にあなたが管理しているのであれば、「名義預金」として相続税の対象になる可能性がありますので、早めになんらかの対応が必要になるかもしれません(別記事にて解説予定)。
4. 現在の残高
この項目は必須ではありません。
現在の預貯金がどれくらいあるのか把握したい、遺産分けを考えるための資料にしたい、老後の資金に不安があるという方は書き出しておきましょう。
5. 備考
この欄には、ちょっとしたメモを書いておくとよいです。
- 給与や年金の振込口座
- 家賃や水道光熱費の引き落とし口座
- 紐づいているクレジットカード
- 定期預金の満期日、自動継続の有無
口座を整理するときに、ここに書いた情報が役に立ちます。
【整理する】銀行口座の数を絞り、不要な口座は解約する
口座は2つ以内に絞る
銀行口座は少なければ少ないほど管理が楽です。
急増している「キャッシュカード詐欺盗」の被害にも遭いにくくなります。
口座の数は、2つ以内に絞りましょう。多くても3つです。
普段1つの口座しか使っていないという方は、思い切って他の口座は解約してしまいましょう。
「普段使いの口座」と「貯蓄用の口座」を分けておきたいという方は、2つ残しておけばよいでしょう。
1000万円以上の預貯金がある方は、預金保険制度(ペイオフ)を考えて2つの口座に分けているかもしれませんが、決済用預金を使えば1000万円以上でも全額保護されます(詳細は別記事にて解説予定)。
今はほとんど利子がつかない超低金利時代ですから、1つの口座にまとめることを検討してもいいかもしれません。
存在がはっきりしない口座を調べる
一覧にした金融機関の中で、残高が不明な口座、解約したかはっきりしない口座があれば、このタイミングで調べましょう。
10年間取引がない預金は、「休眠預金」として民間公益活動に活用されます。
せっかくの自分のお金を誰かに使われてしまうのは、もったいないと思いませんか?(2021年現在は手続きすれば払戻し可能です。休眠預金については別記事で解説予定)
もしかしたら、思っていた以上の金額が残っているかもしれません。
すでに解約していることが確認できれば、安心して通帳やキャッシュカードを処分することができます。
存在や残高がはっきりしない口座を放置していると、あなたが亡くなったあとに家族が調べることになります。
死後に口座を調べるのは手間も時間もかかりますので、今のうちにあなたが行ってください。
不要な口座は解約する
ほとんど使用していない口座、放置していた口座、存在を把握していなかった口座などは、現在のあなたには必要のない口座です。
残高を引き出して、解約してしまいましょう。
残高0のまま放置していた口座も、近くに支店がなくて手続きできないといった理由がなければ、面倒でしょうが解約したほうがすっきりします。
「解約済」口座の通帳やキャッシュカードはどうする?
解約済の口座(残高0にして今後使用しないと決めた口座を含む)のキャッシュカードは、磁気ストライプとICチップ部分にはさみを入れ、破棄してしまいましょう。
通帳も、名義、口座番号、印影が判別できないように黒く塗りつぶしてから処分しましょう。
どちらもシュレッダーにかけてから捨てると安心です(カードに対応していないシュレッダーもあるので注意してください)。
取引履歴の確認のため通帳を残しておきたい場合には、表紙と取引ページの最後に「解約済」「残高0、使用しない」など油性ペンで書き、家族がみたときに分かるようにしておきましょう。
一覧を更新する
作った一覧表に何らかの変更があった場合には、必ず情報を更新しておきましょう。
調べた結果存在しなかった口座、解約した口座などは消してください。
最初のうちは修正が多いと思いますので、口座の整理が一通り終わった時点できれいに書き直すとよいかもしれません。
まとめ
お疲れさまでした。
これで預貯金の整理は一通り終了です。
集めた通帳類と作成した一覧表を、あらかじめ決めておいた保管場所にしまってください。
(防犯上、印鑑は別の場所に保管しましょう)
今後は定期的に(最低年に1回は)見直して、必要があれば情報を更新しましょう。
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